【513gourmetのぶつぶつ呟き】

とあるSNSで


『飲食店は物価があがったからと値上げはするけど
じゃ~物価が下がったら値下げするのかよ』

というコメントを見たことがあります。

これは飲食店を応援する外食人代表としてコメントせねば!!
と投稿いたします。

そもそも飲食店というビジネスモデルは
『薄利多売』の商売です。

そして
飲食店の利益とは
『付加価値』の対価となります。

物を仕入れて
そのままの状態で右から左に流したら
それは付加価値とはいいません。

例えば
魚を仕入れて
なにひとつ調理や加工をせずに
お客様に提供したら
そこに付加価値はありません。

しかし
飲食店は魚を仕入れたら
下処理をし
刺身にしたり
焼いたり
煮たり
味付けをしたり
目でも楽しめるように綺麗に盛り付けたり
お皿を選んだり
それ以前に
食材を勉強し
仕入れ時に目利きをして
より美味しそうなものをわざわざ市場で選んだり
などなど
仕入れた魚が一つのお料理としてお客様に提供されるまでに、これだけの手間がかかっています。

それ以外にも
席のつくりはどうすればいいか
椅子の高さはどれくらいが食事しやすいか
照明はどれくらいの明るさがお客様は居心地がよいか
BGMはどんなものがいいか
音量はどれくらいが適切か
お料理の提供方法はどんな風にしたら喜ばれるか
接客スタイルのお客様との距離感はどうすべきか
などなど

舌だけでなく五感で食事を楽しんでもらえるように考えているのがプロの飲食人です。

そして
これら一つ一つがすべて付加価値であり
この付加価値の対価として飲食店は
お客様から利益を頂きます。

洗い物も全部してくれますね。笑

もちろんこれも一つの付加価値です。

つまり
食材にただ利益をのせているのではなく
原価に付加価値をのせて利益を頂いているので
物価(原価)が上がったら売価が上がる
物価(原価)が大幅に下がったら売価を見直す
は当たり前のお話となります。

本当は物価に合わせて毎日売価を変えてもいいくらいです。
いわゆる『時価』というものですね。

また原価には食材以外にも
光熱費や人件費も含まれます。

昨今の電気代の上昇
恐ろしいですよね??

それでも実際はそんなに日々価格が変わらないのは
飲食店がお金を支払うお客様のことを考えて
原価上昇分を自分たちの利益を削って
今まで価格に乗せてこなかったということなんです。
※ぜひこれを知っていただきたい。



つまり、飲食店が値上げする時とは
『本当にもう物価が上がりすぎてどうしようない時』
であり
『なくなく最終手段に出ているんだろうな~』
くらい思ってあげてほしいです!!

これは
おうちご飯でも同じことが言えますね。

お母さんやお父さんが
栄養や献立を考えて
スーパーに買い物に行って
お料理をして
家族が食べ終えるのを待ってから
残り物を自分で食べて
食べ終わったらお皿を片付けて
洗い物をして
本当はこれ全部『付加価値』です。

家族だから
お母さんお父さんが超絶優しいから
無料でやってくれているだけなので
是非お母さんお父さんに
『いつもありがとう!』って言って
対価をお支払いしてあげてください。笑


お客様は神様ではありません。


飲食店にとって
お客様は喜んでほしい家族なんです。